ノートルダム・ド・パリ応援隊

We love Notre-Dame de Paris. We love French Musical.

 

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ノートルダム日本公演 - 2幕1

(1) Talk to Me of Florence フィレンツェの話をしてくれ

グランゴワール下手、フロロが上手に、それぞれ舞台の端のほうに立っています。
ノートルダム大聖堂と同じシテ島にあるサント・チャペルのステンドグラスを彷彿とさせる美しいバック。

この歌が唯一、この「時代」そのものを語っています。
全体的に暗い中に二人が浮かび上がり、
歌詞とのびゆく旋律もあいまって、空間的な広がりを感じさせる歌。

「よくわからないけれども広がりつつある世界」を感じられますよね。
そして逆に、暗い空間に二人がいるからこそ、
新しい時代への期待感と同時に、一抹の不安・現実感さえも感じさせます。

英語版の歌詞では、この歌の最後に入るのが
「The new will kill the old 新しいものが古いものを滅ぼすだろう」という表現だったと思いますが、
フランス語では「Ceci tuera cela これがあれを滅ぼすだろう」という
原作と同じ表現が使われています。

ユゴー作品そのものの英訳だと「This will kill that」のようですが、
おそらく母音数(音節数)の関係で上記のような英訳になったのでしょうね。

わかってるけど・・・ちょっと残念かな(笑)。
「これ」「あれ」と、非常にぼかした表現をしているところが
逆にこの言葉の持つ魅力なので。(日本語訳はどうだったのでしょうか)


(2) The Bells 鐘

大聖堂が舞台であることを、建物ではなく、その内部の鐘で象徴する曲。
大きな鐘がいくつも舞台上に吊り下げられ、アクロバットたちが圧巻の演技。
(歌手だけでなく、アクロバットとダンサーも分業)

鐘がいかにカジモドにとって大事であるか、ひしひし伝わってきます。
カジモドの喜びと、そして孤独感。
抒情的でありながら、激しさも持ち合わせる旋律。

矢継ぎ早に出てくるキリスト教の祝日の数々は
フランスがカトリックの国であること、
フロロとカジモドが暮らしているのが、まさにその教えの中心の場所なのだと感じさせます。

朝日新聞のインタビューに演出家のジル・マウが
「この時代の鐘をつくのは、普通の市民ではない人」と言っています。
つまり、塔から落ちたり鐘とぶつかったりする危険な仕事だったから」と。

それは確かにそうだったのでしょう。
しかし、カジモドが決していやいやこの仕事をやっていたわけではなく、
フロロに鐘つき男にしてもらったことを感謝しています。

カジモドが孤独から救われていたのは、
間違いなくこの「鐘」の存在があったから。
きっとこの仕事を誇りにも思っていた。

そしてその鐘の存在を巧みに表現するアクロバットたち。
彼らこそが、鐘を生きているかのごとく動かして見せてくれています。
この歌では鐘が主役ですが、その鐘をカジモドの友人の立場まで昇華させているのは
間違いなく、アクロバットたちの「心」です。

(3) Where is She ? 彼女はどこに?

フロロ、グランゴワール、クロパンが舞台手前に座って
いなくなったエスメラルダについて語り合います。

苛立ったようにグランゴワールに行き先を尋ねるフロロ。
全然知らないんだ、とフロロに答えつつ、グランゴワールは隣のクロパンに
捉えられているエスメラルダを救いに行くようにこっそり教えます。

冷徹なフロロが時折、「自分」を見せる相手がグランゴワール。
この歌でも、少々のいらだちを詩人にぶつけています。
しかし、それをさらっとかわして、実は・・・とクロパンに告げるグランゴワール。

小品ではあるのですが、人間関係の絶妙さも表現し、
そして最後に3人で歌い上げるのが、これまた美しい曲。


(4) The Birds They Put in Cages カゴの中の鳥

捕えられ、助けを求めるエスメラルダ。
牢獄の柵が斜めになっているところが、不安感を増大させるおもしろい演出。

一方カジモドは動くガーゴイルの像に乗って登場。
カジモド自身は探すような動きはしませんが、
大聖堂の上からエスメラルダを探している感じ。

二人が同時に舞台にいながら、別の場所にいるという設定。
最初は別々に歌っていた二人が、最後には美しい合唱になり、
離れていても心が通い合い始めてる様子がひしひし伝わってきます。

タイトル部分「かごの中に入れられた鳥」が繰り返し語られるように、
内容としては不安感いっぱいな内容ですが、
カジモドとの気持ちの交流が救いになるのではと、希望を感じさせる曲。


(5) Cast Away 追いつめられて

エスメラルダだけではなく、クロパン及びジプシーたちも獄中に。
「自由な世界を手に入れるにはどうすればいいんだ?」と
怒りながら問いかけるクロパン。

1幕の「The Refugees 流浪の民」で少し書きそびれていますが、
このクロパンたちは間違いなく「サン・パピエ」たちが
表現されています。

英語版では「Refugees 避難民」ですが、
フランス語版で使われている「Sans papierサン・パピエ」は
(書類を持たない人たち。不法移民)という現代の社会問題を表す存在でもあります。
この問題は、またいずれ別のところで。

この「Cast Away」と1幕の「The Refugees」の歌は
底辺に立たされた者の怒りがよく現れた現代の歌。


さて、この辺から、歌のタイトルこそ分けてありますが、
1連の流れになっています。1幕が本当に単独の歌が多かったことに比べると、
「コンサート形式」とはいっても、かなり雰囲気が違いますね。

(6) The Trial 裁判

舞台に赤い檻が登場。その前につながれたエスメラルダが拷問を受けつつ
フェビュスを殺そうとした罪を認めるようフロロが迫ります。

(7) The Torture Scene 拷問の場面

アレサンドラの軽く苦しむ姿がセクシー。
そして、「私をつけていた神父は・・・あなたに似てるわ!」と言う
その視線のキツさが、状況のひっ迫感を増幅。

「彼を愛していることは認めるわ」という、「認める」の言葉1つだけで
フロロは「フェビュスを殺そうとした罪を認めた」とみなして、
エスメラルダに絞首刑を宣告。

ものすごい論理の持っていき方なのですが、
それが通るフロロの立場の優位性、冷徹さが出ています。

(8) I'm a Priest 私は司教

7の歌が終わると、下手の影でフロロは一生懸命ばばっとフードのついた上着を脱いで
舞台に戻ってきます。

フランス語初演版CDやDVDを持っている人はおわかりだと思いますが、
ここでは初演版と比べて曲順が変更になっています。
(詳しくは「"Notre-Dame de Paris Japon" Songs」> 物語の構成 > 曲順変更」をどうぞ。でもこっちのタイトルがフランス語オンリーということに今気がつきました・・・)

オリジナルでは
Poebus → Etre prêtre et aimer une femme → La monture → Je reviens vers toi
9 → 8 → 11 → 10
だったのです。

ただ、とにかく変わったがゆえに、7→8と、フロロは2曲続けて登場することになったんですね。
それで大慌てで上着を脱いで・・・と(^^;)。
やっぱり上着を着ている時は、冷徹なフロロを表してるので
神父なのに女性を愛してしまった、という内面の葛藤を描く時には
どうしても脱いだほうがいいんですよね・・・。

エスメラルダへの愛と苦悩を歌うフロロ。しかしそのエスメラルダは・・・

(9) Phoebus If You Can Hear フェビュス、聞こえているなら

牢獄の中、フェビュスに助けを求めるエスメラルダ。しかし、そのフェビュスは・・・

(10) To Get Back to You 君の元へ戻るよ

そのフェビュスは、フルール・ド・リスのところへ戻って来て、
ジプシー娘に魔法をかけられてたから許してほしい、と訴えます。そのリスは・・・

(11) My Heart If You Will Swear もしあなたが誓うなら

ジプシー娘を絞首刑にするならあなたを許すわ!と答えるリス。
大人の女に見事に変貌。

8~11まで、各登場人物の気持ちが、
「次」のキャラにストレートに行って続いてるんですよね。
そして、フロロ→エスメラルダ→フェビュス、のところでは
矢印そのままに気持ちが一方通行。

皆、報われない愛に生きていてますよね。それだけに
フェビュス→リス、の部分も形としては結ばれるだろうけど
どこか冷やかさを感じるのは、単に演技だけではなく
こういう構成の延長上にあるからだろうと思います。


(12) Frollo's Visit to Esmeralda フロロ、エスメラルダの元へ

フロロがエスメラルダに愛を告げるシーン。
このシーンは「I Loooooooooooooooooooooooooooooooooove!」に尽きます。

ここで人間味を感じさせるか、冷徹さをそのまま持っていくか、
フロロを演じる役者により味わいはかなり違ってくると思いますが
いずれにしても、フロロの心の叫びを全身で浴びてください。

フランス語版ではここが「Je t'aime ジュテーーーーーーーーーーーーーム!」と
言葉がきっちり最後まで入っています。

(13) One Bright Morning You Danced ある朝、君は踊っていた

歌詞の中では「ある朝 お前が踊っていた」と言うだけで具体的描写はないのですが
光を浴びて踊るエスメラルダ、それを純粋な気持ちで打たれるように見ていたフロロ、
そんな状況が浮かんできませんか。
「ある朝」という言葉がポイントなのかなと思います。

エスメラルダに愛を迫るフロロですが、
端的に状況を表す言葉が対照的に組み合わされ、切迫感アップ。
この歌詞の持っていきかた、とても好きです。
「絞首台か 私か / 死か 愛か / 墓か 寝床か / 死か 生か」


**** 「ノートルダム・ド・パリ」日本初演版 観劇レポート ****
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Mew

Author : Mew

2013年来日公演したミュージカル
ノートルダム・ド・パリ」、及びフレンミュージカルを応援中!ノートルダムでオリジナル・グランゴワールを務めたブリュノ・ペルティエも熱く応援中!


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