ノートルダム・ド・パリ応援隊

We love Notre-Dame de Paris. We love French Musical.

 

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ノートルダム日本公演 - 2幕2

(14) Free Today 自由になって

カジモドがクロパンたちを牢から解放し、
そのクロパンが襲われかかっているエスメラルダを救出。

とてもパワフルで、達成感が感じられる曲。

(15) Moon 月

緊張感の連続の後にこの静かな熱唱が入ることで
ノートルダムの作品全体の質そのものを高めている名曲。

遠くはるかを見通すかのような透明感のある歌詞と
月の輝く夜空へ向かう視線そのままに高みへと駆け上がるのびやかな旋律。
二つがぴったりマッチして、聞く者を別世界へといざなう。

シンプルなおかつ詩的な表現の中に
関係代名詞を巧みに使うことによって
たたみかけるように、しかし少し離れて達観した視点で
カジモドの哀しみを描きだすプラモンドンの手法が鮮やか。

(16) A Small Whistle I Leave 笛をおいて行くよ

エスメラルダを大聖堂にかくまうカジモド。
次の曲への橋渡しとなる短い曲だが、
カジモドのエスメラルダへの献身的な愛が伝わってくる1曲。

(17) God You Made the World All Wrong 神よ、この世のすべてが間違いだ

カジモドのレパートリーとしての名曲。
原曲では「Dieu que le monde est injuste」
「この世はなんて不公平」という意味。

ハンサムな騎士に恋をしているエスメラルダ、
どんなに思っても彼女の目にはいらない醜い自分。

原作及びミュージカルでは騎士フェビュスは不実な男ですが、
ディズニー・アニメのようにフェビュスが白馬の王子様であっても
この歌の持つ哀しさは共通であり、不変。

ただ不思議なことに「哀しみ」は表していても「卑屈」にはなっていない、
そこにこの歌が愛される理由があるのだろうと思います。

(18) Live for the One I Love 生きる、あなたのために

原曲は「Vivre 生きる」とシンプルなタイトル。
英語版CDではセリーヌ・ディオンがこの曲をカバーした
エスメラルダ・パートとしての名曲。

シンプルな言葉の中に、生きることへの純粋で本能的な意義・喜び・希望が描かれます。
1幕の「アベ・マリア」と雰囲気は似ているのですが、
1幕では救いを求めていた彼女が、2幕のこの歌ではむしろ
他者に助けを求めるのではなく、生きることの意味を自分なりに考え、
生きていくというのは自分の意志で行っていくことなのだと悟っていきます。

次に続く「ノートルダム襲撃」で、さらに彼女は強さを見せることになりますが、
その布石ともいえる曲。

(19) Attack on Notre-Dame ノートルダム襲撃

フロロがフェビュスに命じて、クロパンたちを捉えにかかる。
それを高いところから見守るグランゴワール。

この前半部分の圧巻は、重唱部分。
フェビュス率いる警官隊(本来「近衛兵」でしょうがそうは見ません)の
「À bas ! Ces sans-papiers このサンパピエたちを捕えろ!」

クロパン率いるサン・パピエ集団の
「Nous sommes des étrangers 俺達は異邦人」

ここがうまく合唱になっているところに
グランゴワールの
「Ils sont bien plus de mille aux portes de la ville
彼らは 城門に千を超え・・・」
という歌声が入ってきます。

つまり、3つの異なるパートが同時存在しているのですが、
それぞれを殺すことなく、うるさくもならず、すべてがきちんと聞こえてくるんですよね。
それでいて、重唱ならではの音の重なりが美しく響き合っている。

もちろんグランゴワールが入るところでは、彼の声が目立つように工夫されていますが
それぞれのパートがきちんと存在することによって、
それぞれの立場での正当性みたいなものまでが描かれている気がします。

一歩間違えれば、ごちゃごちゃしただけになる構成を
感動を与えるほど1つにまとめあげているコッシアンテの荒業。

そして後半、クロパンが命を落とし、
エスメラルダが「俺達は異邦人」の歌を引き継いで歌っていく。
サン・パピエたちの、差別との戦いは決して終わらないのだ、とでもいうように。

そこにいるのは、もう守られるだけのエスメラルダではなく
戦っていく強さをもった彼女。

(20) By Royal Law 王の法に従って

結局サン・パピエたちもエスメラルダも捉えられてしまいます。
エスメラルダに絞首刑を言い渡すフェビュス。そしてリスと二人消えていく。

エスメラルダにとってのフェビュスの「裏切り」が明確に表現されるシーン。
しかし、その目に悔しさや怒りはあっても、乙女らしいショックというものはありません。
「フェビュス」の歌でひたすら助けを求めていた彼女とは明らかに違います。
強くなった彼女は、もう想像がついていたのかもしれない。

もうフェビュスを愛してはいないエスメラルダ、
真実が何かが見え始めているエスメラルダ。
このシーンがあるからこそ、ラストのカジモドの曲が生きてきます。

(21) My Master, My Saviour 僕のご主人さま、僕の恩人

大聖堂の高いところからこの様子を見ていたフロロとカジモド。
エスメラルダを死に追いやるのは自分だと告げるフロロ。
地上ではエスメラルダが処刑され、カジモドがフロロを塔から突き落とす。

フロロの演じ方にもよりますが、
ロベール・マリアンやダニエル・ラヴォワ演じるフロロを見ていると

それは 一言で言えば フロロの狂気
狂気に陥る自分を止められない哀しさ
愛を止められない苦しさ
残酷になっていく自分への懺悔

フロロはきっと カジモドに突き落とされることを
心のどこかで欲していた・・・
だからこそ、あそこでカジモドにあんな風に告白をしたのではないかと。

フロロの最後の哀しい高笑い。
そして、それに続くカジモドの「フロロ!」という叫び声。
その叫び声には、怒りと同時に哀しみが。

尊敬していた師が裏切ったという怒りというより
なぜ崇高な人間だった彼がこのような道に堕ちてしまったのかという哀しみと
それに対する怒り。突き落とす側のカジモドもつらかったはず。

(22) Give Her to Me 彼女を僕に返して

塔から下りてきたカジモドが、エスメラルダの遺体を必死に引き取ろうとします。
次の曲への序章。

(23) Dance my Esmeralda ダンス・エスメラルダ

日本語訳では省略されていますが、英語訳にもある通り、
「Danse mon Esmeralda 踊って 僕のエスメラルダ」というタイトル。

「my (mon) 僕の」という短い言葉ですが、
この歌全体の意味を決定づけるくらい重要なものなので、
たとえタイトルとはいえ省略してほしくないです。
確かに長くなるので、若干重い感じはありますが、
カットするほどではないでしょう。

これは今回の翻訳の方のチョイスというよりは、
以前日本人歌手の方が使われたものを、そのままタイトルとして使っているそう。
そのタイトルが「日本で通っていた」というほどではないので、
別にこだわる必要はなかったかと思いますが。

「神よ、この世のすべてが間違いだ」で醜さゆえに
自分は選ばれないのだと哀しみを歌っていたカジモドが
ここでは「『僕の』エスメラルダ」と歌っています。
それは小さいようで大きな変化であり、そこが胸を打つのであり、
単に彼女の蘇生を願っているだけの歌ではありません。

「王の法に従って」で、フェビュスがはっきりとエスメラルダに死刑を宣告した、
それがここで絶妙な形で生きてきます。
エスメラルダの気持ちははっきり語られはしませんが、
きっと彼女にとってもそれが救い、それが望みだろうと思えてきます。

歌の中で語られる、カジモドと彼女が永遠に一緒に寄り添う姿は
それを悲劇だというよりは、むしろ幸福を見つけたのではないかと
思わせるだけの力がこの歌にはあります。

この歌は、ユゴーの描いた原作のラストを描き切った上で
さらに飛翔させています。
どれだけ「カテドラル」や「ベル」がヒットしようと、
この歌なしに、この作品は成立しなかったでしょう。

マット・ローランの演じるカジモドは、哀切たっぷりにこの歌を歌いあげ
エスメラルダへに対する愛おしさが痛いほどに伝わってきます。
最後にエスメラルダに覆いかぶさるように倒れ、
歌詞通り、二人は永遠に結ばれあうのだろうと予感をもって終わります。


感動の旋律に始まり、感動の余韻でもって終わる「ノートルダム・ド・パリ」。
ご覧になったあなたの目にはどう映ったでしょうか。

遠くない将来、再びまたこの作品が日本の聴衆を魅了することを
願ってやみません。

~「ノートルダム・ド・パリ」日本初演版 観劇レポート 終わり ~


**** 「ノートルダム・ド・パリ」日本初演版 観劇レポート ****
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- 2幕 その1 / その2
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Mew

Author : Mew

2013年来日公演したミュージカル
ノートルダム・ド・パリ」、及びフレンミュージカルを応援中!ノートルダムでオリジナル・グランゴワールを務めたブリュノ・ペルティエも熱く応援中!


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