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(8) 陽ざしの中へ:四季版ノートルダム

ノートルダムのテーマは、見る(読む)人により感じ方は様々だと思いますが、アニメ版と四季版では、最初と最後にテーマ・フレーズが挿入されています。ちょっとおもしろいのは、アニメ版ではそれぞれ少し別の言葉になっている点:

1708.jpg

オープニング: "Who is the monster and who is the man?"
誰が怪物で誰が人間なのか

ラスト: What makes a monster and what makes a man?
何が怪物を作り 何が人間を作るのか

これが四季版では、どちらも「What makes a monster 何が怪物を作るのか」のほうになりました。
四季版訳: 人間と怪物 どこに違いがあるのだろう
アニメ版の字幕(両方とも): 誰がモンスターで 誰が心ある人間か
アニメ版吹き替え音声: 
 [オープニング] (鐘を)鳴らすのは怪物か それとも人か [ラスト] 心優しき青年が(鐘を鳴らす)

アニメではクライマックスで、フロローがナイフでカジモドを殺そうとし、カジモドはそんなフロローでさえ助けようとします。その後でこのテーマが語られるので、余計に深く心に響くんですよね。お話が明確な上に、テーマとぴたっと合っていてとても効果的。
(ただ、アニメ吹き替え版には、テーマ・ワードはほとんど入ってなくて・・・それがとっても残念!)

アニメ版英語版で、この重要なフレーズをオープニングとラストで敢えて変えてるのもおもしろいですよね。
「Who is the monster ? 怪物なのは誰か」という単純な視点から、「What makes a monster? 何が人を怪物にするのか」という、より深い視点になっている気がします。




四季版は、テーマはちょっとはっきりしなかったかなあ・・・?
ラストで、カジモド自身は醜いカジモド・メークがなくなり、それ以外の主要キャラは全員カジモド・メークで登場します。フロローもエスメラルダもフィーバスも。

これ、わかるようでわからなくて・・・(^^;)。カジモド・メークが「人間誰でも悪いことをしうる」or「人はみな同じ」ということを言いたいんでしょうか。それなら、カジモド本人もメークそのままでよかったんじゃあ・・・とか。それより、そういう内容が物語の中で出てくるわけでもないんですよね・・・。

テーマに関して言うと、物語最後のほうでエスメラルダとフィーバスが歌う「いつか Someday」という素敵な歌。
彼女はフロローに自分のものになれと迫られ、さもなければ死刑という状況の中、二人は最後の時間を過ごします。

いつか 人がみんな賢くなる時がくる
祈るわ 争いの炎が消えることを
いつか 人がみんな平等に暮らせる
そんな明るい未来が必ずくると


・・・いや、君たち別に身分違いの恋に苦しんでるわけじゃないよね。今君たちが窮地に陥ってるのは、フロローの個人的欲望や策略からだよね。平等な世界になっても、この手の毒牙は消えないと思うよ(爆)。

観劇後の帰り道、他の人が言っていたのですが、「個人の欲望を『悪』と言ってしまっている」と聞いて、「なるほどな~」と思いました。この歌の感想というよりは、作品全体に対するものだと思いますが、後半ちょっとそういう感じがありました。




さて、四季版ノートルダムの代表曲といえば、やはり「陽ざしの中へ」でしょう!
大聖堂にほとんど閉じこもりきりのカジモドが、外の世界へのあこがれを歌う歌。

そうだ 今日だけは 夢をかなえよう
一度でいいから ここを抜け出し
踏み出そう 陽ざしの中へ


この歌の一番と二番の最後、曲が最高潮にのびるところで、「陽ざしの中へ」という言葉が歌われます。母音の数が音の数とぴったり合っていて、素敵感ぶわ~~っ!

原題は「Out there」で、「外へ」という意味。「陽ざしの中へ」という表現は「外」を強く感じさせる言葉だし、そこには「明るさ」「希望」も含んだ表現になっています。これだけで、「外へのあこがれ」が凝縮されてますよね。

英語も歌の最後は「out there」で終わり、同じ意味で盛り上げて終わらせています。そのオリジナルの「旋律X言葉」効果を日本語版でも存分に発揮させているんですよね。

さらにすごいなと思うのは、言葉の配置。実は英語版には「太陽」という言葉が中盤に一度出てきます。
「And out there, Living in the sun, Give me one day out there」
でも、四季版でそれを感じさせる言葉はラストの「陽ざしの中へ」だけです。

つまり、中盤では敢えて「太陽」の言葉を取り去って繰り返しになることを避け、ラストの一番盛り上がる部分だけに「陽ざしの中へ」を持ってきて、そのパワーを凝縮させてから一気に爆発させている形です。

タイトルとしてもぴしゃっとはまっているし、歌詞の吹き替え和訳史上に残る名訳ではないかと思います。




なんにしても、カジモドもエスメラルダもフィーバスも他のみんなも素敵でした~~~~~♪♪
鐘も素敵だったよ!! ←重要事項 (動かないけど(笑))
カジモドとエスメラルダがとても素敵に体現されていて、個人的には彼らと会話しながら鑑賞してました(笑)。

ぜひアニメも見てくださいね(内容的に字幕付きをオススメ)。ノートルダム大聖堂や鐘が鳴らされる様子は圧巻。CGもなかった時代にあの描写は出色の出来だと思います。アニメのガーゴイルたちはかわいいし、エスメラルダは美女だし、そしてフィーバスがいい意味でキザなカッコよさがあります。

そして、一生に一度はぜひパリのノールダム大聖堂へ。狭い階段ぐるぐる登って、ガーゴイルに会いに行こう!早朝の聖堂内の回廊を歩いていると、フロロがいるかも・・・って思えますよ♪

そして原作やフレンチ版もオススメです!フレンチ版は原作をベースにしているので、原作のストーリーを目と耳で味わうのにぴったりです(こちらも少しオリジナル性はありますけどね)。

どうぞ、どっぷりノートルダムの世界にはまってくださいね。


~ Fin ~
長文におつきあいいただいてありがとうございました。

(7) カジモドの名前の本当の意味 [←前]




四季版「ノートルダムの鐘」感想 (2017)

(1) 関連作品の概要
(2) カジモドの結婚
(3) エスメラルダとクロパンの火花な関係
(4) 神父と判事は似て非なるもの
(5) カジモドはなぜ「反逆」したのか
(6) 弟が示すフロローの道
(7) カジモドの名前の本当の意味
(8) 陽ざしの中へ


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Mew

Author : Mew

2013年来日公演したミュージカル
ノートルダム・ド・パリ」、及びフレンミュージカルを応援中!ノートルダムでオリジナル・グランゴワールを務めたブリュノ・ペルティエも熱く応援中!


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