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「Spectacle musical」が意味するもの

テーマは、「『ミュージカル』をフランス語で言うと?」

先日「太陽王」の宝塚公演について検索をかけていた時に
ふと見かけて気になった記述:
「太陽王はアクロバットとか出てくるから『スペクタクル・ミュージカル』なのね」
(うろ覚えなので、そのまんまではありません)

・・・んー・・・・・
・・・少なくともフランス語では違うんだけどなー・・・

フランス語で「ミュージカル」と言う言葉は
「comédie musicale コメディ・ミュージカル」。これがスタンダード。
では、「spectacle musicale スペクタクル・ミュージカル」の意味はというと
・・・やっぱりシンプルに「ミュージカル」(笑)。

これは私一人が思ってることではなく、
フレンチミュージカル「ロミオとジュリエット」の作者ジェラール・プレスギュルヴィックさんも
そう言っています♪(ロミジュリ招聘版の記者会見にて)
「ミュージカル(comédie musicale)とスペクタクル・ミュージカル(spectacle musicale)の
違いは何ですか?」という日本人記者の質問に対し、
ジェラールさんの答えは、違いはないと一言きっぱり、それ以上の説明もなし。

何が違うかといえば、わかりやすく言えば「園芸」と「ガーデニング」の違いかな?
基本的に内容は同じ、表現が新しいとかの違い。
025.jpg

日本語の「スペクタクル」は辞書では
「映画・演劇で、大群衆や大掛かりな仕掛けを見せ場にするもの」ですが、
フランス語の「spectacle」は、舞台で上演されるもの全般をシンプルに意味します。
Grand spectacleなどのように他の形容詞を合わせれば別ですが、
単体で「大がかりな仕掛け」とかのニュアンスはありません。

「comédie musicale コメディ・ミュージカル」の語を初めて見た時、
「さっくりした表現だなー」と思いました(^^;)。
というのも、フランス語の「comédie コメディ」にはいろんな意味があります。
(喜劇/劇・演劇・戯曲/(古)劇場・劇団/(比喩的)芝居・茶番)
有名なComédie française コメディ・フランセーズはパリにある国立劇場及び劇団の意味。

一方、「spectacle」が意味するのは
「光景・ありさま/(映画・演劇などの)見せ物・興行・ショー」。
その中でも舞台で上演されるものを指すことが圧倒的に多いと思います。
だから、「spectacle musical」の表現は、ミュージカルを意味する単語としては
よりスマートで的確だと感じます。
作品ポスターやパンフなどでこちらの表現が好んで使われるのは
そういう理由だと私は思っています。

FNACは、本やCD/DVD、チケットを扱うフランス最大級のチェーン店。
ページ上部の黒いバーの右端にある「Billeterie(チケット)」にマウスをオンすると(クリックしない)
扱っているチケットの分野が表示されます。

ndp2014-01.gif

「Spectacles」がありますね。
美術館のチケットもこのカテゴリーに入ってますが、
だいたい舞台・劇場で行われる催しです。
クラシックやジャズのコンサートも入ってるので、
「spectacle」が派手な演出のものばかりではないのがわかりますよね。
(ちなみにここでは、ミュージカルの分類は
「Grands spectacles(大がかりな仕掛け(の舞台)」の中。
考えてみたら当然ですよね。一人芝居のミュージカルとかほとんどないから・・・)

観劇をする人に「Bon spectacle ボン・スペクタクル!(=よい観劇を)」と言います。
(「Bon voyage ボン・ヴォワヤージュ(=よいご旅行を)」というのと同じ形)
とても一般的な単語なんです。
025.jpg

他に「ミュージカル」を表す単語として、「(le) musical (ル)ミュージカル」があります。

前述の通り、スタンダードは「comédie musical」なのですが、
2語なので・・・長いんですよね(笑)。
おそらくそういうこともあって、「ミュージカルを「(le) musical」と呼ぼう!という動きがあり、
そう銘打つ作品は増えてきています。

ただ・・・では、記事の中などで「ミュージカル」という分野を表す単語として
一般的に使われているかというと・・・疑問が・・・(^^;)。

ndp2014-002.jpg

これ↑は2014年10月からフランスで上演される「ダンス・オブ・バンパイア」の
フランス語版です。ポスター画像上部に「LE MUSICAL」と入っていますよね。
(これが「comédie musicale」だったら、長いよポスターはみ出るよ!(笑)って感じ)

でも・・・これ、同じくFNACのサイトなのですが、ジャンルの説明としては
「Comédie musicale」(冠詞なし)などとなっています。

元々フランス語で「musical」は「音楽の」という意味の形容詞なんですね。
ミュージカル作品のポスターやHPなどの中で、
「ポランスキーのミュージカル」「ブロードウェー・ミュージカル」などと表現する場合に
「Le musical」としても、すぐわかるんですよね。
でも、FNACのページの説明部分のような場合、
冠詞の le を取って「Musical」だけになってしまうと形容詞と混同され、
わかりにくくなるのではないかと思います。

だから、作品中で使われるならよいけれど、例えば
自己紹介で「私はミュージカルが好きです」などと言う場合に
"J'aime les musicals"などと言うと、
「音楽の何?」と聞かれたりするかもしれないし、
単に「ああ、フランス語なのに英単語を混ぜて使ってるよ」と
間違いとして認識されることも充分想像できます。
別ページでマネしないように、と書いたのはそういう意味。
もちろん、言葉というものは生き物ですから、
今後どうなっていくかはわかりませんけれど。


で・・・このダンス・オブ・バンパイアのフランス語版の
Le Bal des vampires
クンツェ&スタインマンの名前よりもポランスキーの名前がどーんと
クローズアップされてますねぇ・・・(笑)。
↑FNACのページでは、フランス語のトレーラーも見ることができますので
興味があれば、どうぞ。

Comment

ヴァンパイア

「ダンス・オブ・ヴァンパイア」はクンツェ&リーヴァイコンビではありませんよー。脚本・作詞はクンツェさんですが、作曲はジム・スタインマン氏です。
フランス版、楽しみですね!
  • posted by ぱい
  • 2014.07/18 11:30
  • [Edit]

Re: ヴァンパイア

きゃーー!ばいさん、ありがとう~~~~~~~~~~~!!
さっそく訂正しましたっ!

フランス語版、ワクワクです^^
  • posted by Mew
  • 2014.07/18 20:59
  • [Edit]

意味するもの

こんにちは。
これって日本人とフランス人の言葉に対する感覚の違いが大きいように思います。
日本人って「言葉の使い方」に意味合いを求める傾向があると思うんですよ。例えば「comédie musicale」ではなくて「spectacle musicale」と言っていれば、そこには使う人間の意図があって意味合いは当然違うであろう、というような。
 でも、フランス語って実はとっても同義語が多いんですよ。それはフランス人が文章を書く際には、なるべく同じ言い回しをさけ、多様な表現を使う方が名文であると、昔から考えられているからなのですが。でも、そうすると言葉の言い換えは、フランス人にとって、単なる表現のバリエーションであって、それ以上の意味は無いんですよね。
まさにMewさんのおっしゃる「園芸」と「ガーデニング」の違いのような。まっ、日本人の言葉の感覚には物足りないのかもしれませんが(笑)
  • posted by はやし
  • 2014.07/27 01:58
  • [Edit]

はやしさんへ

そうそう、フランス語って言葉の重複を避けますよね。それと同じ感覚だと思います。

ノートルダムetcのパンフには spectacle musicaleって書かれているので、なんかこう特別な意味と日本人スタッフは思われたのかもしれませんが、単に「お芝居じゃなくてミュージカルっすよ~」っていうくらいの意味合いだと思いますし(笑)。


  • posted by Mew
  • 2014.07/27 13:35
  • [Edit]

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Mew

Author : Mew

2013年来日公演したミュージカル
ノートルダム・ド・パリ」、及びフレンミュージカルを応援中!ノートルダムでオリジナル・グランゴワールを務めたブリュノ・ペルティエも熱く応援中!


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